神を否定する者は自らを神とする


キリスト教国で自由主義や民主主義が成立したのは、一神教であり、絶対的権威と世俗的権力が分離独立していた事による。この点が重要なのです。
神を否定する者は自らを神とする。世俗的権力が神と一体となった時、権力の不正を権力者自らがただす事ができなくなる。その時、過ちは絶対的な事になる。絶対的、過ちは、自らもそして、人類をも破滅へと導く。

国際社会では、一方的な正義を振りかざしても問題の解決には至らない。信じる事が違えば正義も違うのである。必要とされるのは、超越的存在に対する信仰である。

キリスト教国以外では、懺悔し、悔い改めるという思想が欠如している。
しかし、救済はそこにしか見いだせない。

人道主義的な立場に立ってという事に関して、私は、次のように考えます。
奴隷制度を例にとって考えれば、奴隷制度を否として制度をなくした場合、奴隷制度は、否定したとしても奴隷的身分にあった人、総てを保証する事は事実上不可能である。況や、その子孫まで保証するというのは、非現実的である。だから、時効の問題もある。歴史的として過去をさかのぼったら、有史以来の事総てを保証しなければならなくなる。
故に、人道的立場に立って奴隷的境遇にあった人達を支援、援助し、かつ又、人種差別をなくすための施策をとる。それが人道的な立場に立つという事だと私は、考えます。
戦争被害に遭った女性や子供達を支援、援助をすると共に、戦時下における女性や子供、老人と言った社会的弱者の保護に国家的に取り組み。そのために、必要な組織や機関を設立し、施設や基金を設定し、或いは国会で講演、演説、学習、又、国民、又、世界で啓蒙活動をする事だと思います。
歴史的問題に囚われると平行線をたどり政治問題化する危険性が高いと思います。歴史的問題としてではなく、普遍的問題として未来志向で取り組む事が肝要だと考えます。
政治は妥協の産物です。妥協点を探し求める事が政治の役割です。妥協点を見いだせなければ、結局暴力的手段でしか解決がつかなくなります。その根底にあるのが、国民感情です。だからこそ、不必要に国民感情を煽り、妥協のない争いに持ち込む事だけは避けなければなりません。人類は、人類を何百回も滅亡させても有り余るほどの兵器を持っている事を忘れてはなりません。

アメリカは、自由主義国、民主主義国であり国民国家だという事である。
アメリカが衰退するか否かは、自由主義や民主主義の問題であり、軍事力や政治力、経済力の問題ではないという事である。自由主義や民主主義という仕組みの正当性の問題である。それを抜きにしてアメリカの力を評価するのは妥当性がない。
市場主義経済も、国際政治も、自由主義、民主主義だから機能しているという確信である。それがなければ、自由主義や民主主義は成り立たない。

全体主義的、中央集権的国家は、民主化し得ないが為に侵略的になる。侵略的行為は、支配階級と被支配階級の存在が前提となる。なぜならば、支配すべき相手が存在しなければ侵略する意味がないからである。
中央集権的国家は、経済が好調な時は、求心力を持つが、経済が不調に陥ると求心力を失い権力闘争や政治抗争に陥りやすい。
中央集権的国家は、格差を是正するための手段を持たないからである。そのために階級が生じる。階級が生じる事で分配に偏りが生じるからである。この偏りが経済を成り立たせなくなる根本的原因なのである。
更に、全体主義、独裁主義国は、自由主義体制と違って平和的手段によって政権を交代できないからである。

戦争の原因は、経済が主である。戦争の目的は、生産手段の争奪にある。故に、戦争に正義はない。あるのは勝敗である。その証拠に戦後賠償は、勝者が敗者に要求する物であって、敗者は勝者に何も要求できない。賠償というのは戦利品を言い換えているのに過ぎない。
欲しい物を奪い取る。それが、戦争の本質である。奪われたくなければ戦うしかない。それが戦争である。
主たる生産手段は労働力と土地である。故に、領土と支配が戦争の主目的となるのである。
重要なのは自国の独立自尊であって相手国の独立を尊重できなくなり国民が戦いを望めば戦争は防げない。根底にあるのは国民感情である。平和を望むのならば根本の経済の問題を解決する事である。問題は、生産手段と生産物と分配をどう結びつけるかである。




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