経済の仕組みを動かしているのは、お金の流れである。
経済の仕組みは、お金を循環させる事で成り立っている。お金が回ることで、収益を上げ、格差の拡大を防いでいる。お金が循環しなくなると、経済の仕組みは維持できなくなる。
経済を実際に動かしている部品は、経済主体である。経済主体には、政府主体、民間主体、海外主体がある。
民間主体には、民間企業と家計とがある。民間企業は、生産を担い、家計は消費を担う。
市場は、お金を動かしているのは、取引である。取引は、ゼロ和を前提にして設定されている。故に、市場取引の全体は,ゼロ和である。経済主体間の取引もゼロ和である。
ゼロ和というのは、正の主体があれば負の主体もある事が前提となる。
取引は、売り買いと貸し借りの二つの働きによって構成されている。売りと買いは一体であり、違いは、視点の差から生じる。又、取引は、物とお金から成り立っている。
貸し借りには、お金の貸し借りと物の貸し借りがある。
売り買いは、物とお金の所有権の交換を意味する。
売り買いは、お金が配分されている事が前提となる。お金が不足している主体に、お金が余っている主体から借りる必要がある。故に、売買と貸借とは、均衡していなければならない。これは現金収支と資本収支がゼロ和である事を意味する。
三面等価の原則からして巨額の財政赤字があるという事は、民間現金収支が黒字だと言う事である。民間には、家計と企業があるが、企業の現金収支が黒字で期間損益が赤字である場合がある。それは、企業が投資を控えて現金を貯め込んでいるからである。企業が投資を控える原因は、第一に投資にかかる資金の調達が困難である場合と投資に効果が得られる期待が持てない場合である。だからこそ地価の動向が重要となるのである。
また、財形収支が赤字の場合、財政の資本収支は黒字でなければおかしい。この資本収支の構成と財政収支の構成とを照合すると財政の構造が見えてくる。
何と何が等価になるかを明らかにする事で、個々の要素間の関係や全体との関わりが明らかになる。それは何らかの問題が生じた時その原因を解明し、対策を講じるための鍵となる。逆に、何と何が等しいか、又、なぜ等しいかを知らなければ、原因を明らかにしたり、対策を立てる事は出来ない。
ゼロ和というのは、関係性が解りやすく、関数化しやすく出来ている。
ゼロ和は、等価関係によって経済的事象に表裏を付ける。例えば、経常黒字と経常赤字。資本取引と経常取引。国内取引と海外取引。貸しと借り。貸借と収支。この表裏等価の関係が、経済を制御する為の基礎となるのである。
何処と何処、何と何が、等価となり、ゼロ和となるかを見極め関係づける事が経済政策を立てる為の基本となる。
国民経済計算書の数値を多くの人は利用するが、国民経済計算書の仕組みをや構造を活用しようとする者は少ない。
民間の収益も金融部門と非金融部門とがある。金融部分は直接的に生産に関わっているわけではない。金融部門の収益が上がっても生産性が向上するわけではない。
日本の現状は世界の未来の状況です。放置すれば、内乱か戦争によってしか解決が出来なくなると私は考えます。
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