負の効用
一般に借金や費用は悪い事だという認識に立っているように私は思える。しかし、本当に借金や費用は悪い事なのであろうか。現代社会は、借金によって成り立っている事を忘れてはならない。なぜなら、貨幣の本質は借金だからである。
借金を悪役にせずに借金の効能をよく知ることが為政者に求められている事である。
貨幣経済の要は、借金と費用である。借金は悪い事と決めつけ、費用を削減するから経済は、活力を失うのである。景気を維持しようとしたら費用を生み出す事である。費用を過剰に削減化する事は、経済の無人化を促進する事になるのである。費用の本質は個人所得である。費用を削減する事は間接的に個人所得を削減する事に結び付くのである。
インフレーションにせよデフレーションにせよ市場の表面に現れる景気は、貨幣的現象である。しかし、貨幣は、経済の仕組みを動かす動力に過ぎない。経済の主役は生産財と人である。すなわち、経済の主たる働きは、生産と分配である。「お金」の働きは、従に過ぎない。
住宅を例にとれば、住民により良い生活環境を提供するのが経済の仕組みの役割であって景気を良くすることや金儲けが主たる目的ではない。景気を良くしたり、金を儲けるのは二義的な目的である。景気を良くするとか、金儲けのために住宅を必要としている消費者に、必要としている住宅を、必要としているだけ提供できなくなったらそれは本末転倒である。
経済の仕組みは、「お金」の過不足による振動によって動いているのである。個々の経済主体は、「お金」の入りと出によって動いている。
貨幣を動力とした経済の仕組みは、お金の出入りによって動かされている。故に、経済の動きは、事前残高、出入り、事後残高で測られる。
経済の仕組みの働きを正常に保つするためには、「お金」の出入りを制御する必要がある。
「お金」は貸し借りによって経済主体に供給され、売り買いによって活用される。
貸し借りはストックの部分を形成し、売り買いは、フローの部分を形成する。
ストックは、支払い準備の量を示し、フローは、お金の働きの量を現す。
「お金」の働きは、「お金」の出と入りによって生じる振幅の幅と周期が重要となる。「お金」の出入りによる振幅は、「お金」の貸し借り、売り買いの量を測ればわかる。
「お金」の働きを測定するためには、「お金」の過不足の幅を測る必要がある。
ただ、「お金」の過不足の総和は、ゼロ和に設定されているため、「お金」の出入りによる働きの総和は、市場全体では解消されてしまう。
故に、単位期間に特定し、その期間の「お金」の流れとストックを測定し、「お金」の働きを制御しようというのが期間損益である。
気を付けなければならないのは、何がゼロ和に設定され、何がゼロ和に設定されていないかである。利益は、ゼロ和に設定されていない。利益をゼロ和に設定してしまうと全体の働きが解消されてしまうからである。
ゼロ和に設定されている部分は、均衡しようとする圧力が働く。この圧力は、利益を限りなくゼロにしようという働きになる。それが景気の活力を削ぐのである。
経済政策の根源は、都市計画にあると私は考えている。
都市計画の根底にあるの思想である。
何を都市の中心に置くか。都市の機能を何に求めるか、それによって都市計画の在り様は違ってくる。
何を都市に中心に置くか、都市の機能を何に求めるかを決めるのは、思想である。
だから都市計画の根底にあるのは思想である。都市計画在り様は、都市の政治体制をも外形的に左右する。ゆえに、都市計画は、市民にとって死活問題でもある。
住環境は、人々の生活をも規制する。市民は、自分の生まれた環境に制約をうけ、生きそして、死んでいく。それを当たり前だと受け止めるうちは、自分が環境の在り様に支配されている事に気が付いていない。
だからこそ、人は知らず知らずのうちに都市計画に支配されるのである。
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